まさに “みんなのための白シャツ”。ミテミテシャツの内側を大公開します。vol.1 サイズ編

まさに “みんなのための白シャツ”。ミテミテシャツの内側を大公開します。vol.1 サイズ編

わたしたちオールユアーズが新たに開発した “透けない白シャツ”、『ミテミテシャツ』。10月初旬のクラウドファンディング立ち上げから、今や200人以上の方々よりご支援をいただき、約30か月ぶりの試みとはいえ多くの反響をいただいています。

この特集記事では、そんな『ミテミテシャツ』について、オールユアーズの代表取締役であり製品開発製造総責任者でもある原 康人にインタビュー。ミテミテシャツの内に込められたこだわりや想いについて、みなさまにお届けします。

第一弾となる今回の記事で取り上げるのは、ミテミテシャツの「サイズ」について。13個ものサイズレンジを設定している理由から、どのようにしてサイズの展開を設計したのか、そのこだわりまで、幅広く聞いていきます。ぜひお楽しみくださいね。

“僕らが出会ったことのある方々が、ストレスなく着られるものを”

ーー ではまず、そもそも「なぜ13サイズの展開にしたのか」から聞いていけたらと思います。

原:オールユアーズが作り続けている服は、「トレンドに左右されない、日常で気持ちよく着られる普段着」です。それは、ある一部の方にとってのみでなく、あらゆる方々にとっての “普段着”。どんな会社やブランドもそうだと思いますが、まずは「ターゲットとなるお客さん」を設定するのが普通ですよね?

 

ーー どんな方に自社のアイテムを使っていただきたいか、という。

原:そうです。特にアパレル業界で言えば、女性向けなら女性向け。男性向けなら男性向け。また、その中でも「こんな女性に着てほしい」というビジョンやターゲット、ペルソナといったものがあるんです。ブランドの成り立ちとして、それは最初に設定されているべきもの。ですが、オールユアーズはそれをしませんでした。

 

ーー というと……?

原:選ぶことは、捨てることだと思うんです。たとえば「こんな方に着てほしい!」とターゲットを決めてしまうと、その範囲外の方々はまさに “蚊帳の外” になってしまう。僕らオールユアーズの商品は「性別」や「体型」のような枠組みから脱却したものなんですよね。だからこそ、どんな方にも “選択肢” を提供したいと思っていて。

 

ーー どんな人でも、オールユアーズの服を楽しむことができる、と。

原:そうなんです。正直「13個のサイズ展開」自体に意味はありません。今回のミテミテシャツを開発した際も、オールユアーズでお買い物をしてくださったことがある方々にお声がけをし、実際に着ていただくことでサイズの調整をしていったんです。

 

ーー 自分たちの身の回りにいる方々を参考に。

原:自分以外のことは、自分にはわからない。だからこそ、お客さんのお力を借りることで、本来の意味での「みんなのための服」を叶えたかったんですよね。単純に各部位を4センチずつ大きくしてワンサイズアップする、という方法では、それを実現することは不可能なんです。自分たちが関わったことのある方々を思い浮かべながら、彼らにぴったりなものを作ろうと考えたところ、今の「13個のサイズ展開」が生まれたんですよ。

“服は着るものであって、基本的に、飾るものではない”

ーー 原さんのお話からは、真に「お客さまがオールユアーズの服を着ているシーンを想い、考え、生み出す」といった気概が感じられるように思えます。

原:人の体型って、それぞれですからね。体型の違いは、人がいれば人の分だけある。背が高い方がいれば、背が低い方もいる。太っている人も、痩せている人も。服はあくまで「着るもの」であって、基本的に「飾るもの」ではないと思うんです。

 

ーー うんうん。

原:オールユアーズがやっていることは、そもそもアート活動ではなくデザイン行為なんですよね。根本にあるのは「課題解決」であるべきだ、と思いながら服を作っています。身体が大きいために、しっくりくる服を着ることができない方もいますよね。かえって、身体が小さいゆえにどんな服もオーバーサイズになってしまう、なんていう方もいるのかなぁと。たとえば、そんな課題を解決するために、僕らは「カスタム」という仕組みを取り入れていて。

 

ーー カスタム、ですか。

原:13個のサイズ展開を用意していても、もちろん「合わない」ということだってあります。ならば、僕らの手で服のサイズを調整してみる。『袖丈がどうしても長い……』というお客さまには、袖を少し短くカスタムしたシャツをお届けする。オールユアーズはオーダーメイドブランドではありませんが、なるべくみなさまにフィットした服をお届けしたいという想いからはじめた取り組みですね。ミテミテシャツでも、もちろんそのような取り組みをおこなっていきたいと思っています。

 

ーー そうすることで、本来の意味での “みんなのための白シャツ” が実現されるわけですね。

原:実際に着てくださる方がいないと、ただただゴミを作っているだけになってしまいますからね。今回の白シャツは、きっとたくさんのお客さまに楽しんでいただけるものに仕上がったなぁとは感じています。

僕らオールユアーズの服づくりは、みんなが思い思いに楽しむための「土台」を作っているような感覚なんです。今回開発した白シャツ『ミテミテシャツ』も、そのうちのひとつ。白シャツにおける、ひとつの「定番」になってくれたら良いなぁと考えていますし、自信を持って世に出せるシャツが出来上がったと感じていますよ。

 

ーー 本日はありがとうございました。次回は、ミテミテシャツの「シルエット」について、お届けします!

ライター:三浦 希

1993年2月26日生まれ、北海道出身。WEB制作会社、編集プロダクション、ECサイトディレクターを経て、2020年4月に独立。ライター・編集者として活動する。地方で昔から営業している古い居酒屋で、おじいちゃんおばあちゃんと友達になるのが好き。