ALL YOURS STOREの閉店について

ALL YOURS STOREの閉店について

※右から2番目が髙橋。現共同代表の原(右から3番目)、前任の木村(右端)とともに3人で創業しました。

こんにちは!株式会社オールユアーズの共同代表をしています、髙橋です。
このようなカタチで皆さんにお話をするのは、恐らく初めてではないかと思います。

今回は「ALL YOURS STORE~みんなの場所~」の閉店の経緯と、いま私たちが考えていることについてもう少し詳しくお話いたします。
ちょっぴり長いですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

今回お話することは、以下の3つです。
・どうしてALL YOURS STOREを閉店することになったのか
・ALL YOURS」というブランドについて
・これからの株式会社オールユアーズ

どうしてALL YOURS STOREを閉店することになったのか

「ALL YOURS STORE~みんなの場所~」はみんなでつくってきたお店

閉店を発表してからというもの、「どうして閉店してしまうのですか?」というお声をたくさん頂きました。
これまで私たちを愛してくださっていたことを嬉しく思いつつも、一方では「これまでたくさんの方に支えてくださっていたことにきちんと応えないといけない」と思ったのがこの文章を書くことにした背景です。

この場所は「ALL YOURS STORE~みんなの場所~」だから。みんなにありのままをお伝えする必要があると思っています。

※ALL YOURS STORE~みんなの場所~は、2018年4月28日に今の場所にオープンしました。

正直に話すと、「ALL YOURS STORE」はずーーーーっと模索を続けていました。

そしていまだに後悔しています。「みんなの場所」というチャレンジを積み上げていくことができなかったことに対してです。

この5年間、この場所でたくさんの出来事がありました。

トークイベントを行ったり

※服とは全く関係のないトークイベントも!けどそれを邪魔しないのがALL YOURSなんです。

ときにはぽっちゃりさんのための企画イベントを行ったり

※実はこの時から現在の最大13サイズ展開を開始しました!

ユーザーを集めて今後のサービスを一緒に考えたり

※近くにお住いのファンを集めて真剣にディスカッション!

東京都外にある人気店のPOP UP STOREを開催したり

※のれんもジャックして(!?)ほんとうにたくさんの方にお越しいただきました!

ALL YOURSの服は、あなた(とあなたのたのしい)を邪魔しない服という考え方が根底にあります。このようなたくさんのイベントは、ALL YOURSの服を通してこんなにたくさんの「たのしい」に触れることができ、イベントを通してALL YOURSの服の良さを自然と再認識できる素敵なものばかりでした。

だからこそ思うのは、「もっと積み上げることができたのではないか」ということ。

積み上げることができなかった原因のひとつに、2020年からはじまる新型コロナウイルスの感染拡大があることは事実です。
お店の営業のあり方を見直さなければいけなくなったことはとてもつらいことでした。

※現在も好評いただいている自宅お試しサービスはコロナ渦で利用者がとっても増えました。

ですが、それよりももっと大きな、そして根本的な理由は、
「ALL YOURSというブランドをたくさんの方に届けよう」
と思ってしまったことです。

ん?普通のことでは?と思ったかもしれません。

ですがそこには、
たくさんの方に届けるための在庫
たくさんの方に知って頂くための発信や宣伝
たくさんの方に試していただくための場所やスタッフ
というまた別の「普通の営業活動」が求められます。

オールユアーズはこれらの「普通の営業活動」をしなくてもたくさんの方に届けられるようチャレンジしてきました。

無駄になる在庫を持つことがないようにクラウドファンディングによる受注生産や、SNSを使ったコミュニケーション、47都道府県をめぐる試着ツアーなど。

※47都道府県すべてで試着会を行うという全国行脚。ほんとうにたくさんの方と出会うことができました。

その途中でふと気づきました。

「たくさんの方に届ける活動は、わたしたちが必ず行わなければいけないことなのか?」

一生懸命に、「ふつうの営業活動」をしなくてもたくさんの方に届けるチャレンジをしてきましたが、たくさんの方に届ける活動そのものを疑ってみました。

わたしたちが本当に大事にしたいこと。それは
「SWITCH STANDARD」
洋服のあたりまえになっている、生産と消費と廃棄を繰り返すサイクルを疑って、
「はじまりから、おわりまで責任を持つ」

※SWITCH STANDARDは2019年にはじめて表現しましたが、創業から変わらぬわたしたちのミッションです。

そのために、たくさんの方に届けることをじぶんたちの目標にするのは間違っているのかもしれない。
もし今の活動を維持するために、たくさんの方に届けることが必要になってしまっているのなら、「はじまりから、おわりまで責任を持つ」ことに直結する活動以外は、すべて見直そう。

ALL YOURS STOREの営業も見直すことにしました。

ALL YOURS STOREのあるべき姿は、「みんなの場所」。
だけど、そのあり方は、「はじまりから、おわりまで責任を持つ」ことのメッセージを伝える活動に繋がっていない。

悩んだ結果が「閉店」です。
一時休業や充電期間ではなく、「閉店」
これはわたしたちの覚悟です。

これから先、ALL YOURSのブランド活動は、「はじまりから、おわりまで責任を持つ」チャレンジにだけ集中します。

「ALL YOURS」というブランドについて

製品を起点にすること

そもそも「ALL YOURS」というブランドのイメージって、みなさんはどのようにお持ちでしょうか?

・シワにならないジャケパンや水をはじく服を作っているブランド
・クラウドファンディングをやっている(やっていた)ブランド
・全国ツアーでPOPUPをしているブランド
・(元代表の)木村昌史がつくったブランド
・JRと服の回収をしているブランド
etc…

このようなイメージを想像される方が多いのではないかと思います。

そう。ALL YOURSというブランドには、たくさんの見え方があって、それこそが実はALL YOURSというブランドを最も表現しているなあと、最近では感じています。

なぜならALL YOURSというブランドが一番したいことは、「わたしたち(と、わたしたちの製品)があなた(つかっていただいているみなさん)から考えて、必要なものを考えて提案し続ける」ということが根底にあるからです。

※「ALL YOURS」というロゴはすべてU(あなた)が真ん中に配置されています。

立ち上げ当初から3人で話していたことは
「この3人が集まった時点で、3人それぞれが『これが自分がいい』と思うものは違うよね」
「でも、3人がそれぞれ『自分にとってこういう理由でいい』って思える製品を産み出したいよね」

モノが自分にとっていいと思える理由や背景は、100人いたら100人が大なり小なり異なるはず。
先にあげた、「ALL YOURS」というブランドのイメージがバラバラであるということは、「ALL YOURS」というブランドを通してみなさんが自分なりの「これがいい」を持って、そこに満足しているということ。

そう考えると、とても素敵な状態なのかもしれないと思っています。

だからこそわたしたちがいま改めて集中しなければいけないことは、「ALL YOURS」と「あなた」とが関わる接点であり、起点となる「製品」を磨くこと。そしてその「製品」をつかってもらうみなさんが、使い続けたくなるようなサービスを磨くこと。

2022年の暮れにふと気が付くと、最後の新製品は2021年にリリースしたミテミテシャツでした。

※透けない白シャツ「ミテミテシャツ」は約560万円のご支援を頂きました。

1年以上もの間、新製品が開発できなかったことは「ALL YOURS」史上はじめてのことです。

「ALL YOURS」というブランドが、新製品の開発を通して、必要なことをもっともっと提案していこう。当面はそこに集中しよう。

ALL YOURS STOREの閉店を皮切りに、わたしたちは改めて「製品」にこだわります。そしてその「製品」に「はじまりから、おわりまで」責任を持つことにこだわります。

※「はじまりから、おわりまで」とはつくることからてばなすことまで考えるということ。

これからの「ALL YOURS」

ちょうどいいが毎日を快適にする

「ALL YOURS」のイメージをわたし自身が伝えるときにつかう一言、それは
「ちょうどいいのがALL YOURSなんです」

決して、
・究極の環境で効果を体感するような機能ではない
・今年のトレンドをおさえているわけではない
・希少性の高い素材や生産方法をしているわけではない

ある意味で、「ALL YOURS」というブランドは誰でも真似ができてしまうブランドかもしれません。

それでも、
・毎日使うことを考えるとこのくらいの機能で充分です。
・その機能を最大限発揮できる素材を使うので粗末にしてしまう値段でも、着るのにドキドキしてしまうような値段でもないです。
・アウトドア派もインドア派も、おしゃれさんも服に無頓着な人も、若者もベテランも、一張羅ではなくあったら便利な一枚です。

そんな誰にでも「ちょうどいい」服だということを、胸を張って言えるのは「ALL YOURS」だけだと思っています。

もし時間があったらInstagramの「ALL YOURS」のタグ付けを見てみてください。
これほどカオスなタグ付けは見たことがないと思うくらい、いろいろな人が着ています、アウトドアショップのオーナー、メッセンジャー、経営者、農家、市役所職員、エンジニア、工場勤務スタッフ、学生、スポーツ選手や海外の富豪から毎日が忙しくてほとんどSNSの投稿をしない人まで、みんなが同じものを着ています。

わたしたちはこれまで、そんな方々の目にとまるようなプロモーションをしてきました。全国ツアーやイベント出店にテレビ出演や本の出版まで。

ですが、そのすべてを立ち止まって考えます。

派手なプロモーションよりも、価値がわかりやすい製品と意味のあるサービスを追求する。もしかするとこれまでよりも「ALL YOURS」というブランドを(特にSNS上で)目にしなくなってしまうかもしれません。
それでもわたしたちがだいじにすることは、「わたしたちがあなたから考えて、必要なものを考えて提案し続ける」こと。

そのチャレンジにのみ集中します。

これから「ALL YOURS」はLaboratory(ラボラトリー 実験所)として、これまで以上にみなさんに「ちょうどいい」を提案していきます。

※たまたまですが、「ALL YOURS」の前身である「DEEPER’S WEAR」のPVは実験室でした。

そのリスタートの第1歩として、現在クラウドファンディングで募集をしている新製品「HIGH KICK SNEAKER」をリリースしました。

※2023年4月6日現在クラウドファンディング実施中のプロジェクトです。

オールユアーズの製品の開発は最も時間がかかったもので6年かかったものもあります。
長い時間をかけて生み出す製品ですから、ヒットした製品をたくさんの方に届けたくなる気持ちが自然と生まれてきます。

それでもわたしたちがチャレンジすることは
「あたらしい、あたりまえ」になる製品を生み出すこと。

その想いを込めてここからALL YOURSは歩みを進めます。
ぜひこれからのわたしたちを応援よろしくお願いします。

 

株式会社オールユアーズ 代表取締役 髙橋 裕輔