めんどくさい」返品をRecustomerがSWITCH STANDARDする

めんどくさい」返品をRecustomerがSWITCH STANDARDする

これまでオールユアーズは、「あたりまえをあたりまえにしない」という価値観のもと、アパレル業界の「あたりまえ」を更新するSWITCH STANDARDを行ってきました。

きっと、私たち以外にも様々な業界で「あたりまえ」STANDARDにチャレンジする方々がいるはず。

今回は、ECサイトの返品・交換や注文キャンセルをストレスフリーにする購入体験プラットフォーム「Recustomer」を開発したRecustomer株式会社取締役・辻野翔大さんに、お笑い芸人かつオールユアーズ製品愛用者 鈴木ジェロニモさんとオールユアーズの高橋がインタビューを行いました。

「ねじれを解消して、消費者と事業者の利害を一致させたい」と話す辻野さん。わたしたちの中に自然に浸透している「返品はめんどくさい」というマイナスイメージが払拭できたら、どんな未来が訪れるのでしょうか。

辻野 翔大(つじの しょうた)氏

2017年3月、株式会社リクルートに在籍しながらRecustomer株式会社(旧ANVIE)を柴田康弘氏と共同創業。2018年4月に株式会社リクルートを退職。Recustomer株式会社の取締役に就任。

リクルート在籍時は、リクルートマーケティングパートナーズにて結婚情報誌ゼクシィの営業として、マーケティングについて学ぶ。現職のRecustomer株式会社では、経営やコーポレート関連の業務に加え、人事、クリエイティブディレクション、受託案件のPMや営業など、事業全般業務を管轄している。

Recustomerが返品をストレスフリーにする

ーはじめに、Recustomerがどのようなサービスか教えてください。

辻野:Recustomerは、決済領域から商品追跡、返品・注文キャンセル領域の購入体験を向上させる購入体験プラットフォームです。返品・返金・交換・注文キャンセルの自動化、自動集荷機能など決済後に発生する様々な事象を自動化します。このサービスによって、消費者と事業者、双方をストレスフリーにできます。


ーありがとうございます。ではどのように返品をストレスフリーにするのか、詳しく教えてくださいますか?

辻野: 返品って、なんとなくマイナスのイメージがありますよね。僕もいち消費者として、返品には消極的な印象がありました。具体的に何が嫌かというと、やはり「めんどくさい」んですよね。

消費者として返品する際のフローを振り返ると、まずは買ったお店に連絡をします。電話が繋がりにくいことも多いですし、何度もメールでやりとりをすることもあると思います。いざ返品できるとなっても、今度は商品の状態や購入レシートや購入履歴のチェックをして、次は梱包。配送センターやコンビニに持っていき、送り状に必要事項を記入してと、とにかく手間と時間がかかる。

Recustomerは、この返品や交換にまつわる一連の作業を簡単に行えるプラットフォームです。消費者は、24時間Recustomerにアクセスできるので、お好きなタイミングで返品や交換を行えます。事業者が想定していない特殊なケースでない限り、スタッフとのやり取りがほとんどないため、連絡を待ったり、コミュニケーションエラーがほぼ発生しません。

また、オンラインショッピングの性質上、実物を目で見たり、手で触ったりできないので、どうしても返品や交換の希望は多くなりがちです。事業者は返品の問い合わせが多くなることを事前に折り込み、消費者が返品でストレスを感じない仕組みを用意した方が、良い関係性が築けるはずなんです。


ーなぜ事業者は返品に対して積極的に取り組まないのでしょうか?

辻野:僕は「返品は事業者にとってもめんどくさい」ものだからだと思っています。

高橋:確かに事業者としても返品対応は、どうしても人や時間といったコストがかかってしまいます。返金ひとつとっても、(セールなどで割引された製品もあるので)いくらの値段で販売したのか、ギフト券などの返金対象とならない決済方法になっていないかを判断する必要がありますし、交換にいたっては代替となる商品が確保できるか確認する必要があります。

辻野:そうですよね。もちろん事業者側は、返品対応を不親切にしたいわけではありません。事業者目線から考えると、返品を受け付けることは、一度計上した売上を無くすことになります。また返品に対応する業務体制の構築と運用にコストがかかります。本来は利益だったはずのものが、返品や交換の対応をしているうちに事業者の支出になってしまうんです。つまり、事業者は経済合理性を理由にどうしても返品対応は後回しにせざるを得ないのが現状です。
また経済合理性だけでなく、法的な背景も理由に挙げられるのではないでしょうか。1つの例として、アメリカでは法律によって消費者が保護をされており、基本的に返品を受け付けなければいけません。しかし、日本の法律では、通信販売にはクーリング・オフが適用されないので、事業者は返品を受け付ける義務がありません。

*クーリング・オフとは・・・
クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
引用元:独立行政法人国民生活センター

また、オンラインショッピングの民主化による国外ブランドの日本進出についても考える必要があります。国外ブランドは、厳しいクーリング・オフ制度のもと、製品や価格競争力だけでなく、サービスを磨いています。。返品や交換への対応が充実しており、国内のブランドも追従しなければ、状況が厳しくなるのではないでしょうか。

Recustomerが返品をストレスフリーにする

辻野:そもそも、消費者目線で考えると、返品対応がスムーズなお店の方が絶対に印象が良いですし、またそのお店で買い物をしたくなりますよね。反対に、返品対応でストレスを感じたら、そのお店を二度と利用しなくなることもあると思います。事業者にも「お客様(消費者)の立場になって買い物をしてみるのはどうでしょうか?」と問いかけることがあります。そうすると「返品や交換サービスがあった方が良い」とおっしゃられます。

また、時代背景からも返品や交換について考える必要があります。日本の人口は減少傾向なので、新規のお客様を獲得しようとしても、長い目で見るとどうしてもお客様の数が減少していくことと予想されます。つまり、事業者は既存のお客様がまた利用したくなるようなお店を目指していくことから目を背けることはできないのではないでしょうか。これまでの常識に従って、新規のお客様の獲得を優先し、返品や交換対応を後回しにしていると、お客様はまた利用したいと思わなくなってしまいます。

ー「また利用したい」と思えるお店を目指すことは、これまでの常識ではあまりなかったことなんですか?

高橋:もちろんほとんどの企業がこれまでも「また利用したいお店」を目指す努力をしてきています。ただアパレル業界では、おなじくほとんどの企業がシーズンやトレンドを「価値の中心」として意識して服を作ってきていることもあり、「また利用したい」と思う源泉が商品そのものだけにあると考えられてきた傾向にあります。よく「商品力」という言葉に集約されていますが、良い商品を作ることのみ、しかもそれがある一過性の価値に中心があるとなると、企業側は「如何にその価値を連続して提供できるか」ということが、事業を拡大するもっとも重要な指標として捉えていく。そんな中返品対応の領域の整備は、あくまでカスタマーサポートの領域のひとつで、重要な指標としての「商品力」とは切り離して考えることが、これまでの常識だったのかなと思うんです。この状態で消費者が、返品や交換を企業に求めると良いサービスを体験することはできません。その積み重ねが「返品はめんどくさい」という認識を、お客様にも事業者にも根深く刷り込まれてしまった原因なのだと思います。

辻野:マーケティングはプロフィットセンターで、カスタマーサポートはコストセンターという考え方も浸透していますよね。徐々に変化は起きていますが、コストセンターであるカスタマーサポートはなるべく予算をかけず、事業をドライブさせるマーケティングになるべく予算をかけるというのが、合理的な経営とされてきました。近年はサブスクリプションサービスの台頭によって、カスタマーサポートを投資として考える傾向が広まってきましたが、この傾向は今度も加速するのではないでしょうか。

適切な関係を構築するプラットフォームに

辻野:買い物とは、事業者が良いものを提供して、消費者がそれを良いと思って購入するという、相互利益の関係を成立させるものです。しかし、返品となると消費者も事業者も互いにストレスを感じて、敵対し合ってしまう。この「ねじれ」をどうにか解消したいというところから、Recustomerは生まれました。
クライアントからサービスに関する相談を受けた際は、Recustomerが第三者として事業者目線と消費者目線の両方から、適切な関係を作るにはどうすればいいのかを考えます。例えば、事業者側から「このようなシステムを作って欲しい」と提案を受けたとしても、それが消費者のためにならないと感じた場合、僕たちはそのシステムは作りません。反対に、極端に消費者側に寄りすぎて、事業者の利益を度外視するようなシステムも同様です。どちらか一方のためになるものではなく、お互いに良好な関係性が長続きするようなサービスを作りたいと考えています。

高橋:オールユアーズでもRecustomerを導入したのですが、お客様のアンケート結果は導入前と比較すると良い反応をいただくことができています。オールユアーズの製品は、愛用服として、長い期間、大切に着てもらうことをひとつの開発ポイントとしていますが、お客様の手元にスムーズに製品を届けることはその出発点です。ですので、この結果はすごく嬉しいです。
僕たちは導入前から無料で返品と交換を受け付けていましたが、担当者がお客様と1on1でコミュニケーションをとっていたため、対応に時間がかかってしまっていたことは、お客様にとっても僕たちにとっても大きな課題でした。また、交換の制度を知らないために、初めから返品されてしまうこともありましたが、Recustomerでは最初から交換の案内もしてくれるので、スムーズにお客様に希望する製品をお届けできるようになりました。

ご自宅お試し制度
製品のご購入後(14日以内)に交換・返品が無料でできる制度。試着したい製品をオンラインストアで一度購入し、ご自宅でお試しください。例えば、ご返品の前提で、2着以上同時にご購入いただいても大丈夫です。

https://allyours.jp/pages/explanation3

ねじれを解消して、利害を一致させる

ー今後、Recustomerが取り組んでいくことや目指している未来を教えてください。

辻野:これからは、消費者と事業者の双方にとってプラスとなる関係性を長続きさせることを目標にしています。知らず知らずのうちに囚われていた過去の常識のせいで消費者も事業者も悲しい気持ちになるのは、誰も望んでいないことですよね。僕たちRecustomerは、商品力もカスタマーサポートもすべてマーケティングに含まれると思ってます。例えば、消費者目線で言うと、返品や交換ができると打ち出している企業は、本当に「商品力」に自信があるからできるのだろうと思うことが多いです。実際にご導入いただいている事業者からも「Recustomerを導入したおかげでアパレルコレクションの販売実績が3倍程度アップした」というお声をいただいています。消費者と事業者の双方がメリットを感じられて、且つその状態が長続きするように、現在そしてこれからのために、多くの方にRecustomerを利用していただけたらと思っています。


ーありがとうございます。では最後に、今後の活動予定について教えてください。

辻野:新たに「試着サービス」を2022年11月にリリースする予定です。簡単に言うと、0円でご自宅まで試着用商品をお届けして、購入しない商品の返品も0円で行えるというものです。これまでのオンライン試着サービスの主流は、消費者が一旦お金を払って商品を購入し、自宅で試着した後に購入しない商品のみを返送し、返品が完了したタイミングで返金する、というものでした。「無料で自宅で試着ができる」という点では変わらないのですが、試着目的であっても一旦購入手続きをして支払いが完了してしまうと、例え返金が約束されていても「本当にお金が戻ってくるのかな」と心配になりますよね。その消費者の心配を解消するサービスです。事業者側もこのシステムによる新規の獲得の可能性が生まれるため、互いにメリットがあるサービスになると思っています。

ライター:鈴木ジェロニモ

プロダクション人力舎所属のお笑い芸人。芸歴5年目。1994年4月27日栃木県さくら市生まれの28歳。R-1グランプリ2022準々決勝進出。短歌50首連作『ヨライヨライ』で第4回笹井宏之賞最終選考候補作。短歌30首連作『ものすごいマンション』で第65回短歌研究新人賞最終選考通過作。『自由律俳句を鑑賞する夜2』にて文筆家のせきしろ氏、ピース又吉直樹氏と共演。事務所ライブ『バカ爆走!』を始め各種ライブに出演。

協力:Recustome株式会社
企画:オールユアーズ 清野