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「日本のモノづくりの未来とは? 衣料品製造工場の現状とこれから」

「日本のモノづくりの未来とは? 衣料品製造工場の現状とこれから」

みなさん、こんにちは! オールユアーズの中込です。

今月で入社して4ヶ月目になるのですが、先日オールユアーズの洋服の縫製もお願いしている三重県の衣料品製造工場である近藤ソウイングさんに伺う機会がありました。僕自身もIT業界から転職してきたため製造の現場を生で見るのは初めてで、リアルな温度感を感じることができ、とても刺激になりました。

代表である近藤さんと色々お話をさせていただく中で、なかなか知ることができない洋服づくりの現場についてオールユアーズのユーザーの皆さんにも知ってもらえるいい機会になるのではないかと思い「日本のモノづくりの未来とは? 衣料品製造工場の現状とこれから」と題して、弊社代表の原を交え対談形式でインタビューを行いました。

今回はその内容をまとめた記事になります。

— まずはお二人とも軽く自己紹介をお願いします。

株式会社オールユアーズ代表取締役で製品全ての商品開発のディレクションを行なっている原康人(はらやすと)です。18歳のときから3年間服飾の専門学校に通いそのまま紡績系の商社に入りました。アパレル企業を相手に色々な提案の仕事を4年ほど行い、その後フリーランスとして働いているときにオールユアーズ共同代表の木村と出会いました。そこからなんやかんやあり(この話で2時間使ってしまいそうなので省略笑)、今年でオールユアーズを立ち上げて4年目になります。

有限会社近藤ソウイングという衣料品製造工場の代表をしている近藤喜成(こんどうよしなり)です。学生時代は情報・経理の専門学校に通い、新卒で名古屋の海運会社に入りました。そこで2年務めたときに、叔父の経営していたアパレルの会社に誘われ入社。主に生産管理と営業をやっていました。実は叔父の会社のサンプル室から独立したのが近藤ソウイングで、最初は父が代表をしていたんですが、35歳のときに自分が継いでそれ以来13年ほど代表をやっています。

— オールユアーズと近藤ソウイングの関係性を教えてもらえますか?

付き合いは意外と短くてここ1年ほど。もともと別の工場に縫製を頼んでいましたが、そこが全く思うように動いてくれなかったため別の縫製工場を探していました。そんなときに飲み仲間に紹介してもらったのが近藤ソウイングです。そこからキャッチャーTシャツやキテテコTシャツなど、主にカットソーと言われるカテゴリの商品をお願いしています。

— お二人ともありがとうございます。さっそく今回のテーマに入っていきたいんですが、まず近藤さんから見た国内の衣料品製造工場の現状について教えてください。

正直なところ国内の衣料品製造工場はどんどん数が少なくなっています。業界的にはだいぶ厳しい。生地屋さんもそうだけど、うちのような縫製をメインにやるような工場はすごく少なくなってきていますね。

— 国内の縫製工場の数が減少しているのはどうしてなんですか?

理由は大きく二つあります。1つめは生産を海外に移すアパレル企業が多いこと 2つ目は後継者がいないこと。1つ目についてはやはり人件費という壁がある。意外と知られていないんですが、実は一般的な洋服の縫製というのはそこまで高い専門技術が必要というわけではないんです。そもそも管理体制さえ整えられない工場が多いんだけど、しっかり管理体制を整えられれば工場が変わっても単純な縫いの質に大きく差はでない。だから人件費の安い海外で生産する企業が圧倒的に増えています。2つ目については縫製という市場自体がそもそも成長していく市場ではないため後継者が現れにくいというのがあります。

国内の製造工場の潮目が変わったのを感じたのっていつぐらいだったか覚えてます?

そこまで順調だった流れが変わったと感じ始めたのはおそらく15年くらい前。本格的に国内の工場が厳しいかもしれないと思ったのは5.6年くらい前ですかね。

そもそも国内の工場の仕事が減っている要因として、当たり前のことを当たり前の品質を担保できているところが少ないというのもだいぶ大きいと思います。平気で納期を守らなかったり、検品が十分に行われずB品が多かったり。日本も繊維産業は100年近くの歴史があって長らく好調だった分、その惰性が続いてしまっている感じ。そういう意味でウチが近藤さんのところにお願いしているのは、単純な縫いの質だけではない”総合的な品質”が高いというのが一番の理由です。

— “総合的な品質”が高いとのことでしたが、近藤ソウイングさんは仕事を受ける上でどんなことを意識しているんですか?

新しく作ったWebサイトでも「絶対品質宣言」というコピーを掲げているんですが、①納期厳守と②B品ゼロという二つには特にこだわっています。さっき話に出たように単純な縫製のクオリティという意味では他の工場で縫ってもそこまで差は出ないと思います。しかし「納期をしっかり守れるか」「いかにB品を出さないか」というのはそれぞれの工場の管理体制の質の高さに依存します。うちはそこに絶対の自信を持っているので、そういった意味でオールユアーズさんにも選んでもらえてるのかなと思います。

— 納期厳守とB品ゼロを実現するために具体的にどんなことをやっているか教えてもらえますか?

納期厳守に関しては工場のキャパ以上の仕事を受けないということと、しっかりと余裕を持ってスケジューリングをするということを気をつけています。もし何かしらの理由でスケジュールが後ろ倒れそうなときは、それがわかった時点で事前にお客さんに報告と相談をする。特に十分すぎるくらいコミュニケーションを取るということは意識しています。B品ゼロに関しては、遅くてもいいから丁寧に縫うというのを縫製の方針にしていることが大きいですね。あとは検品の環境整備に力を入れています。暗いところで作業するとミスを見落としてしまうので、照明の明るさを調整したり暗い色だった床を白く塗り直したりして、できるだけいい環境で検品できるようにしています。いくら気をつけていてもミスは出てしまうので、それをしっかりチェックしてカバーできる体制を整えています。

— 最後に今後の話について伺えればと思うのですが、これから国内の衣料品工場どうなっていくんでしょう?

市場規模が縮小していくのは間違いないですね。でもそれぞれの工場がしっかり役割を果たしていればこの産業が完全になくなることはないと思います。当たり前のことをしっかりやる。これに尽きるんじゃないかな。

原さんが言うようにやるべき仕事を誠実にやっていくことはもちろん大事。あとは守りに入らないこと。どうしても縫製工場という性質上、待ちの仕事になりがちですが、これからの時代は工場の方から情報発信をしていくことも大切だと思います。

あと縫製工場が生き残るためのアイデアとして、例えば川下の縫製工場が川上の生地業者と提携するというのは一つありだと思います。国内の生地業者も少なくなっているとはいえまだまだ海外からは評価が高い。そこと提携することでグローバルで生地が流通したときにすでにそれを万全な体制で縫える状態にしておく。そうすれば「この生地を縫うんだったらこの縫製工場を使おう」という状態を作ることができます。これで海外からもオーダーを受けることができますよね。国内だけで考えると市場は小さいですが、目線をあげて市場を捉え直すというのは必要だと思います。

業界全体が縮小していく中で製造工場側としても環境の変化に対応して新しいチャンスを見つけてやっていかなければいけない。オールユアーズさんとのこういった取り組みもその突破口としてとても可能性があると思っています。お互い様々なチャレンジをしつつ、日本のモノづくりの産業を盛り上げていきたいですね。

今回は近藤ソウイングの近藤さんに「日本のモノづくりの現状とこれから」をテーマに対談形式でインタビューを行いましたが、反響があればシリーズ化してモノづくりの裏側についてを継続的にお伝えしていければと思います。ぜひお楽しみに!

 

近藤ソウイングWebサイト-絶対品質宣言-

https://kondosewing.com